こんにちは、編集部のマナです。運動とメンタルケアを担当しています。
これが今日の自分の時間だから、すぐには閉じたくない。
布団に入ってから、「あと1本だけ」と動画を開く。気づけば、思っていたより時間が過ぎている。翌朝になって、「またやってしまった」と感じる——そんな夜はありませんか。
この記事で扱うのは、見始めたあとに、どう終えるかという一点です。「やめよう」と決意する話ではなく、終わらせる合図、閉じたあとの次の一動作、寝床で再開しにくい環境を、自分の生活に合わせて選ぶための考え方をまとめました。睡眠全般の話や、体重の話には広げません。
- 夜に見続けてしまうことを、意志の弱さと決めつけない見方
- 光・内容の刺激・就寝時刻の後ろ倒しを分けて考える視点
- 「あと1本」の前に置く、終了ラインの決め方の候補
- 閉じたあとの次の一動作と、通知・充電場所の見直し方
- 眠れない日や生活への支障が続くときの、相談の目安
寝る前に見続けてしまう夜は、「自分の時間」を終わらせる難しさがある
仕事、家事、家族のこと。一日の用事がひと通り終わって、ようやく自分だけの時間になるのは、布団に入ったあと、という方も多いかもしれません。だとすると、スマホを閉じることは、その日の「自分の時間」を終わらせることでもあります。
すぐには閉じたくない気持ちは、自然なものです。楽しいから、気持ちを切り替えたいから、今日はまだ何も自分のためにできていない気がするから。理由はいくつも重なっていて、見続けてしまうのは、意志が弱いからとは限りません。
疲れや緊張、自分の時間の足りなさを言葉にしてみたいときは、ストレス食いを考える40代へもあわせてご覧ください。夜のストレスと間食の具体的な話は、そちらに任せて、この記事では触れません。
夜のスマホは、光・内容の刺激・就寝時刻の後ろ倒しを分けて考える
「夜のスマホがよくない」とひとまとめにすると、何を変えればいいのか分からなくなります。そこで、次の3つに分けて眺めてみましょう。
- 光:画面から目に入る光そのもの
- 内容の刺激:動画やSNSが際限なく続いてしまう、見続けたくなる感覚
- 就寝時刻の後ろ倒し:使っている間に、寝る時刻がずるずるとずれていくこと
国立精神・神経医療研究センター病院のコラムでは、寝る前に動画を見始めると際限なくなったり、ゲームがやめられず夜更かししたりして「楽しくて眠れない」側面と、ディスプレイからの光そのものに入眠を妨げる作用がある側面とを、分けて説明しています。[3]
同じコラムでは、一般の人を対象にした疫学研究で、寝る前のデジタルデバイスの使用が、寝つく時間の遅れと関連していたことも紹介されています。[3] ただし、これは「関連が示された」という報告であり、使えば必ず寝つけなくなる、という意味ではありません。
光を減らすのか、見続けてしまう流れを断つのか、寝る時刻のずれを抑えるのか。原因を一つに決めなくても、変えられる場所は複数あります。どこから変えるかは、自分の生活に合うところで構いません。
スマホの問題を一つに決めなくても、変えられる場所はありそう。
「あと1本」の前に置く、終了ラインの決め方
見始めてから「そろそろやめなきゃ」と意志の力で止めるのは、思っている以上に大変です。そこで、見始める前に、終わるきっかけを決めておくという考え方があります。
終了ラインは、時刻だけで決める必要はありません。次のような候補から、自分の生活に合いそうなものを選んでみてください。
- 動画の連続再生(自動再生)の設定を切っておく
- アプリや端末のタイマー機能で、終わりの合図が出るようにしておく
- 「洗濯機が止まったら」「家族が寝る支度を始めたら」など、生活の中のきっかけを終わりの合図にする
- 夜のあいだの通知は、届く相手やアプリを決めておく
夜勤やシフト勤務、介護、育児などで夜の時間帯が一定でない方、緊急の連絡を受け取る必要がある方は、特定の時刻や一律のルールを当てはめなくて大丈夫です。通知はすべて切るのではなく、必要な連絡だけが届く形を検討する方法もあります。厚生労働省の睡眠ガイド2023も、睡眠には個人差があり、書かれている事柄が全ての人に常に当てはまるとは限らないとしています。[2]
決めるのは「何時までに必ず」ではなく、「終わるきっかけ」です。守れなかった日があっても、失敗ではありません。
終わらせる時刻だけでなく、終わるきっかけを先に決めておこう。
閉じた後にする次の1動作を、寝る前に決めておく
スマホを閉じた直後は、手持ち無沙汰になりやすい時間です。何もすることがないと、つい画面に戻りたくなります。閉じたあとの「次の一動作」を先に決めておくと、その空白を埋めやすくなります。
- 充電ケーブルにつなぐ
- 部屋の照明を、ひとつ暗くする
- 洗面所で顔や手を洗う、歯をみがく
- 目覚ましの設定を確認する
- 明日の持ち物を、ひとつだけ出しておく
ここに並べたのは、あくまで候補です。「これをすれば眠れる」というものではなく、閉じたあとの流れを自分で作りやすくするための目印として考えてください。
光の面では、国立精神・神経医療研究センター病院のコラムが、夜の光への対策として、寝る前の時間帯から部屋の照明をやや暗めにし、暖色系の光や間接照明を使う例を紹介しています。コラムでは「寝る3時間前から」という例が挙げられています。[3] これは生活の条件に合わせて選ぶ候補の一つで、全員が同じようにできるものではありません。できそうなところから、一つだけ選べば十分です。
通知と充電場所を見直し、寝床での再開を減らす
閉じたあとに、寝床でもう一度開いてしまう。その流れを減らすには、そもそも手の届く場所にないようにする方法があります。
厚生労働省の睡眠対策のページには、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が、睡眠に関する推奨事項や参考情報をまとめたものとして掲載されています。[1] このガイドでは、良質な睡眠のための環境づくりの参考情報として、寝室にスマートフォンやタブレット端末を持ち込まず、できるだけ暗くして寝ることが挙げられています。[2]
国立精神・神経医療研究センター病院のコラムも、端末側のナイトモードなどの設定を選択肢としつつ、理想としては、夜のデジタルデバイスの使用を控え、ベッドにはスマートフォンを持っていかない、という対策を挙げています。[3]
とはいえ、これらは「こうしなければならない」という決まりではありません。自分の予定や、家の状況、連絡を受ける必要があるかどうかに合わせて、次のような中から選んでみてください。
- 充電する場所を、寝床から少し離す
- 夜のあいだは、通知を必要なものだけに絞る(おやすみモード等の設定)
- 寝床では使わず、使う場所を寝床以外に決める
- 目覚ましを、スマホ以外の手段にする
寝床に持ち込まない方法は、一つではありません。どの方法にも、結果を保証するものはありません。自分の予定に合うものを、無理のない範囲で選んでください。
寝床に持ち込まない方法も、私の予定に合わせて選べばいい。
眠れない日や生活への支障が続くときの相談の考え方
ここまで、夜のスマホとの距離をつくる工夫をお伝えしてきました。ただ、工夫だけで解決できると考えなくてよい状態もあります。
厚生労働省の睡眠ガイド2023は、ガイドに書かれている事柄を活用しても睡眠の状態の改善が十分に得られない場合は、医師に相談することをすすめています。睡眠の不調や、睡眠で休養がとれている感覚の低下が長く続く場合には、背景に病気が隠れている可能性にも留意するよう示されています。[2]
- 寝つきにくい、夜中に目が覚めるといった状態が、長く続いている
- 日中の強い眠気や、集中しにくさなど、生活に支障が出ている
- やめたいのにやめられず、仕事・家事・人との関係に影響が出ている
- 気分の落ち込みが続いている
上に挙げた状態が続くときは、自分で原因を決めようとせず、医師や地域の相談窓口に相談することも選択肢に入れてください。
睡眠を生活習慣の土台として、全体的に見直したいときは、睡眠とダイエットを考える40代へもあわせてご覧ください。睡眠全般や、体重との関係の説明は、そちらに任せて、この記事では繰り返しません。
まとめ|意志の強さより、終わるきっかけを先に決める
寝る前のスマホがやめられない夜は、自分の時間を終わらせる難しさがあります。責めるより先に、光・内容の刺激・就寝時刻の後ろ倒しを分けて考え、終わるきっかけと、閉じたあとの次の一動作を、寝る前に決めておく。寝床に持ち込まない方法も、自分の予定に合わせて選んで大丈夫です。
- 見続けてしまうのは、自分の時間を手放したくない気持ちの表れでもある
- 光・内容の刺激・就寝時刻の後ろ倒しを分けて、変えられる場所を選ぶ
- 終了ラインは「時刻」より「終わるきっかけ」で決める
- 閉じたあとの次の一動作を、先に決めておく
- 通知・充電場所は、自分の予定に合わせて選ぶ。結果の保証はない
- 眠れない日や生活への支障が続くときは、医師や相談窓口へ
大事なのは、完璧に閉じることではなく、終わりやすい流れを自分で作ってみることです。一緒に、がんばりすぎずにいきましょうね。
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この記事は、寝る前のスマホとの付き合い方を考える一般的な情報です。個別の睡眠指導、医学的な診断・治療を行うものではありません。睡眠には個人差があり、ここで紹介した方法が全ての方に当てはまるとは限りません。寝つきにくさや夜中に目が覚める状態が長く続く、日中の強い眠気などで生活に支障がある、やめたいのにやめられず日常生活に影響が出ている、気分の落ち込みが続く、といった場合は、自分で原因を決めず、医師や地域の相談窓口に相談することを選択肢にしてください。治療中の病気、妊娠・授乳中、服薬中の方は、始め方について医師に相談してください。
参照資料
[1] 厚生労働省:健康・医療 睡眠対策(確認日:2026年9月26日)
[2] 厚生労働省:健康づくりのための睡眠ガイド2023(確認日:2026年9月26日)
[3] 国立精神・神経医療研究センター病院:夜の過ごし方と睡眠①~夜の光が眠りに与える影響~(確認日:2026年9月26日)

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